発症後すぐのリハビリで後遺症も軽くなる
発症してからの期間が短い方がリハビリで得られる効果は大きいです。
脳卒中発症後、約3ヶ月を経過致しますと停滞期(プラトー)と呼ばれる「回復確率がやや見込みにくい期間」に入っていきます。
もちろん、3ヶ月を経過するといくらリハビリをしても回復の見込みがが無い、というわけではありません。
神経には、可塑性という「失われた機能を補うための適応する能力」が備わっているので、発症後3ヶ月経過後でも回復は可能なのです。
とはいえ、発症後すぐにリハビリに着手することで回復の見込みが高まります。
発症からリハビリへ
関節可動域訓練
関節可動域訓練は、自力で身体を自由に動かすことが難しい患者が関節の拘縮・変形を起こさないたの訓練です。
看護師・リハビリ士など他者が介助する「他動運動」、患者が自ら実施する「自動運動」の2種類があり、自力で動かうことが難しい場合は他動運動から着手します。
以下のイラストで訓練の具体例を示していますが、様々な関節が拘縮・変形しないように動かしていることが分かります。
離床訓練(立つ・座るなど)
離床訓練は、ベッドから徐々に離れて生活の範囲を広げていくための機能訓練です。寝たままでいると心肺や消化器官などの低下を招くだけでなく、精神の活性にもつながらないからです。立ったり座ったりする訓練の他、ストレッチを行ったり車いすに移乗する訓練も含まれます。
座る訓練を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- いすの高さを、あまり努力しなくても立ち上がれる程度に調節する
- 回数は少し疲れる程度を目安に
- 絶対に無理はしない
機能回復訓練
機能回復訓練では、手足の曲げ伸ばしに始まり、筋力を回復させるとともに、少なくとも廃用にならないように維持していくことが大切です。失語症に対しても、失われた言葉の発声訓練などが行われます。身体の機能を回復させ、少しずつ本来の力を取り戻すことが目標です。これらを通して次のADL訓練へつなげていきます。
ADL訓練
ADL訓練は、食事・着替え・入浴・トイレ、整容などの日常生活に必要な動作が自力でできるように行う訓練です。自力でできなくても、介助によって安全にできるようにコツをつかみます。箸や歯ブラシ、櫛なども使えるように訓練します。
摂食・嚥下訓練
食べ物を飲み込むことができない場合は、自分で食事を取れるように摂食・嚥下訓練を行います。
嚥下機能が低下すると十分な栄養や水分を摂れず体調不良になったり、様々な疾患を発症してしまうことがあるので、嚥下訓練も非常に重要です。
栄養摂取は健康維持に欠かすことのできないものなので、しっかりと取り組みましょう。